皆様、季節の変わり目となりましたが、お元気にお過ごしでいらっしゃいますか？

家内の両親は青森の出身で、毎夏、青森市の三内墓地に墓参をしておりましたところ、昨年はコロナ問題で行かず仕舞。今年は、父、渡邉喜三郎の三十三回忌でもあり、2年ぶりの青森を訪れました。縄文時代の三内丸山遺跡に近接する三内墓地は、青森空港と市街の中間です。霧雨煙る中、享保年間の銘がある渡邉家に続き、歩いて数分の母方、長谷川家にもお参りを済ませました。

翌日、普段以上に閑散とした市内の蓮心寺で営んだ細やかな法要は、我々2人だけの参列でしたが、若いお坊様の素晴らしいバリトンには家内も私もビックリ。力強く良く通る声ながら、決して硬くならないふくよかな艶が輝き、子音の立ち上がりも明瞭で唱えるお経は、まるでオペラのアリア。後で伺うと、中学時代に合唱部にいらしたとのことでした。思いがけない出会いと、久しぶりに陸奥湾を眺めて同じく入江の奥に位置するノルウェー・オスロの街並みを思い出した小旅行となりました。

時節柄、呉々も御自愛くださいますよう念じて居ります。

東京にて、2021年9月

矢崎　彦太郎