皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか？

今月は、敬愛する先輩指揮者が体調を崩されピンチヒッターを依頼されたので急遽代役に立ち、14日が演奏会となりました為、慌ただしく過しました。場所は群馬県南東部に位置する太田市。曲目はブラームスの〈ドイツ・レクイエ（Ein deutsches Requiem)〉。合唱とソプラノ及びバリトンのソロを伴った70分の大曲で、私はフランスやドイツで何度か演奏したことはありますが、日本で振るのは初めてでした。

太田市は、大東亜戦争当時「ゼロ戦」等の航空機製造工場があった場所で、現在は自動車の「スバル」工場となり、一方で文化・スポーツ活動を推進しています。フランスのコンセールヴァトワール・システムを模した「おおた芸術学校」が創立された頃には、現在の清水聖義市長が校長を兼務していたとのことです。今回は、芸術学校の講師を中心に結成された「おおたアカデミーオーケストラ」と「おおた混声合唱団」の演奏で、本番直前1日半のリハーサルながら、晩秋にふさわしいブラームス独特のいぶし銀のような響きが、素晴らしい音響効果を誇る太田市民会館に奏でられました。

冬の到来も間近に迫りましたが、お風邪など召されませぬようご留意下さい。

東京にて、2021年11月、

矢崎　彦太郎