皐月の輝き、響き 2023年5月 刊発売
2023年5月10日 Profile : the Letters
皆様、お元気にお過ごしでいらっしゃいますか?
「5月よ、万歳、よくやってきた。風の吹き流しをもって」はドビュッシーが〈春のロンドー管弦楽のための映像Ⅲ〉のスコア冒頭に書き付けた言葉です。
来月上旬は2週間程タイに参り、コロナ問題で数年間休んで居りましたSSMS(シルパコン・サマー・ミュージック・スクール)のオーケストラ・キャンプやプロムジカ・オーケストラとショスタコヴィッチの室内交響曲(弦楽カルテットNo.8のバルシャイによる編曲版)、リヒャルト・シュトラウスの〈Metamorphosen(変容)〉と〈ドン・キホーテ〉等を演奏致します。〈ドン・キホーテ〉のチェロ・ソロを弾くのは、スイス・バーゼルで活躍するエカチャイ君。一度弾いたら憶えてしまう天才少年が半ズボン姿でチェロを片手にバンコク響のリハーサルに現れたのは20年以上も昔。バンコク響首席奏者の弟子で、当時バンコクでは余り演奏されていなかったシベリウスの交響曲No.7を通して弾いた後、もう一度最初から弾いてもらうと、一番後ろの席にちょこんと座っていた彼は、楽譜を見ずにじっとこちらを見ながら弾いています。「オーケストラでは、指揮者をよく見なさい」という先生の指示をしっかり守っていたのでした。その後、彼とはドヴォルザーク・チャイコフスキー・エルガーの協奏曲を共演したので、15年ぶりの再会を楽しみにして居ります。
4月に共演した新交響楽団と、6月の三重フィルのプログラムに書きました雑文のコピーを同封致します。御笑覧戴ければ幸甚に存じます。
6月末にパリへ戻り、8月30日の草津国際音楽祭コンサートのために、8月下旬に再び帰日致します。
時節柄、くれぐれも御自愛下さい。
東京にて、2023年5月
矢崎 彦太郎