深まる秋のパリより 2008年10月 刊発売
2008年10月25日 Profile : the Letters
皆様、お元気にお過ごしでいらっしゃいますか?
3週間ぶりに戻ったパリは、マロニエの葉もすっかり色づき、朝晩の気温は5℃位で、我がアパルトマンには、かなり前から暖房が入っていました。
パリには、6泊して又、旅立ちます。それでも、3週間で飛び石的に3泊しか出来なかった東京よりはましですが、旅ガラスの面目躍如という所でしょうか。ちなみに「春秋」に連載中の「指揮者が行く」第2回目(10月号)のサブ・タイトルは「ジェットストリームの流れと共に」でした。
日本では、秋晴れの午後、約40年ぶりに琵琶湖畔を散策出来たのが収穫でした。彦根で本番があったので、コンサートの前日、井伊家の居城であった彦根城を訪れ、「開国の恩人」とも「違勅調印」や「安政の大獄」を引き起こした大悪人とも評価が真っ二つに別れる、井伊直弼とその時代に思いを廻らせました。何の因縁か、東京の家から歩いて15分位の豪徳寺は、井伊家の菩提寺の一つなので、日本をたつ日の朝、早起きをして、直弼の墓参まで致しました。
12月のコンサートの御案内を同封させて戴きます。オネゲルの「クリスマス・カンタータ」は、時代は異なりますが、やはり激動の時を生き抜いた作曲家が、ポピュラーなクリスマス・キャロルを仏、独、ラテン語で交唱し合う場面もあり、各民族、各国家の理解と調和を願う、ユニークな作品です。
今後共、何卒よろしくお願い申し上げます。
パリにて、 2008年10月
矢崎 彦太郎