雨季のバンコクより 2004年6月 刊発売
2008年3月30日 Profile : the Letters
皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?病気の為、来日出来なくなったオランダ人指揮者の代役として、九州交響楽団の定期演奏会を福岡で振った後、再び、バンコクに来て居ります。当地で開かれている、フランス芸術月間の催しの一つとして、バンコク交響楽団と、旧知のフランス人ヴァイオリニストである、オリヴィエ・シャリエールのソロで、サン=サーンス、ビゼー等を演奏致します。
6月から10月のタイは雨季です。といっても、本来は、土砂降りのスコールが15分位続いたかと思うと、その後は、カラリと晴れるはずなのですが、今年は、日本の梅雨みたいに、しとしと降る日が多く、南国らしからぬ天気で、ビゼーの明るく、抜けるように澄みきった色を出すのに苦心して居ります。
次回、8月5日の《フランス音楽の彩と翳》は、「イタリアへのオマージュ」と題して、フランス人の潜在意識に有る「ガロ・ロマン文明」への憧憬に、スポットを当ててみたいと思って居ります。「ローマ」も「イタリアの印象」も、日本では、滅多に演奏されない曲ですので、この機会に、ぜひ、お聴き戴きたく存じます。
尚、7月21には、毎年恒例の「囲む会」を、8月7日には、パリから、トゥール・ダルジャンのワイン蔵係りを長年務めていらっしゃる林秀樹氏を講師にお招きして、「秘蔵ワイン試飲会」を開きます。ふるって御参加戴きたく、よろしく御願い申し上げます。
バンコクにて、矢崎彦太郎