冬間近なパリより 2004年10月 刊発売
2008年3月30日 Profile : the Letters
東海・関東地方に、過去最大級の台風が襲来したニュースは、フランスのTVでも報道され、東京、横浜、静岡等の映像が映し出されましたが、皆様方には、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか? パリは曇りの日が多く、気温も下がって冬に近づいている事を感じさせる毎日です。アパルトマンには、もう暖房が入っています。
先日は、「緊急のお願い」をお送りし、ご心配をお掛け致しまして、大変申し訳ありません。早速、パリまで、多くの方から、励ましのお電話やファクスを戴きました。スポンサー捜しに奔走して下さる方々や、自ら、スポンサーになろうと直々にお申し出下さる方もいらっしゃいました。身に余る光栄と痛く感激致し、皆様方の熱い御支援、御激励に、深く感謝して居ります。
しかし乍ら、オーケストラは、自主公演の規模を縮小する他に、経営不振を挽回する方策が無いとの判断に至り、来年度(2005年4月以降)は、現在行われている様な、年4回の《フランス音楽の彩と翳》を開催するのは無理との結論を下しました。
このシリーズを始めた時には、最短でも5年間を目標として、5〜6年分の企画を用意して居りました。来年度の4シーズン目は、プログラム、コンサートの日も既に決まって居りましたので、それが、10月中旬になって中止になったのは、いかにも中途半端で残念ではありますが、近い将来に、別の形で、フランス音楽の素晴らしさを、皆様方に、御紹介する機会を持ちたいと思って居ります。
従って、オペラ・シティでの《フランス音楽の彩と翳》は、残す所、11月12日と来年2月18日の2回だけとなりました。次回、11月12日は、「フランス革命、その後 ──」と題し、世界中を震撼させた変革と激動の真只中に生き抜いた作曲家の作品を演奏致します。特に、メユール、グノーの交響曲は、シリーズ以外の単発的なコンサートでは滅多に演奏される事がない名曲だと思われますので、ぜひ、お聴き戴きたく存じます。変革と激動の時代精神は、現在の私の心境そのものでもあります。
今後共、尚一層の御鞭撻、御教示の程を、何卒、よろしくお願い申し上げます。
パリにて、矢崎彦太郎