小春日和の東京にて 2009年12月 刊発売
2009年12月31日 Profile : the Letters
皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
2009年最後の月も半ば近くになりました。色々と改革の掛け声だけは派手に聞こえてまいりましたが、少なくとも私の近辺では将来に向けた明るい兆しは、その片鱗すら、まだ感じられません。直ぐ結果を求められないのが当然とはいえ、現状では、数値で計れないものの価値への認識が今まで以上に低下するのではないかという危惧の念すら抱かせます。
東京ではヨーロッパと違って、冬も太陽を拝める日が多いのが、せめてもの慰めです。何色も揃った絵の具箱から、ブルーだけどこかに忘れてきたみたいに、11月から2月初めまで、毎日どんより曇り空というのがヨーロッパの冬です。
1月のコンサートのお知らせを同封させて戴きます。「フランス音楽の彩と翳」シリーズのサブタイトルにあるマリアンヌ(Marianne)は、フランス共和国のシンボルとなっている女性で、大革命から王政復古時代に実在した人物です。フリージア帽をかぶったスタイルは、パリのナシオン広場にある共和国勝利記念像を飾っていますが、このコンサートのチラシ右下にも、3色旗と組み合わせてデザインされたロゴマークを、フランス大使館から特別に許可されて使って居ります。ほぼ同時代の3人の作曲家による、祖国への熱い想いをお聴きください。
明日パリに戻り、1月に入ってから再び東京に参ります。
どうぞ呉々もよいお年をお迎え下さい。
東京にて、2009年12月
矢崎 彦太郎