パリから祖国を想いつつ 2011年3月 刊発売
2011年4月8日 Profile : the Letters
皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
未曾有の大震災は、パリでも毎日大々的に報道され、TVのニュースに家内と私は釘付けになっております。
皆様方のご家族、お近い方々が、どうかご無事でいらっしゃることを念じております。
両親が青森出身の家内は、青森、函館に親類縁者が多く、なかなか連絡が取れずに安否を気遣っておりましたが、お陰さまで、大事に至らないで済みました。
Yazaki et ses amisの世話をお手伝い戴いております、親友の村上雄一君は気仙沼の御出身で、残念乍らお家や想い出の品々は無くされましたが、御母上、御姉妹、共にお元気で、不幸中の幸いと胸を撫で下ろしました。御不自由な毎日と察して居りますが、御健康に留意されて、立ち直られることを、切に願っております。
こうした状況の下、我々音楽家は一体何が出来るのかと自問を続けて居ります。最終的には、音楽をする他に能がないのですから、音楽を通して、皆様方に少しでも明るい希望を持っていただける様に努力するだけなのかもしれません。
4月15日に予定しておりました藝大フィルとのコンサートは延期となりましたが、4月22日の大阪での大阪交響楽団定期演奏会、5月6日、7日の九州佐賀県鳥栖で新たに始まるラ・フォルジュルネは行います。
今まで以上に、気を引き締めて望み、美しく楽しいコンサートを目指したく存じます。
パリにて 2011年3月
矢崎 彦太郎