東京シティフィル ジャカルタ公演 2008年6月9日 刊発売
2008年6月17日 News
日本では殆ど知られていませんが、今年は日本・インドネシア友好50周年にあたり、現地では色々な催しが開催されています。インドネシア国営航空ガルーダでは乗務員が日印尼友好のバッジを付けて乗務しています。
この50周年記念事業の一環として、今般東京シティフィルのジャカルタ公演が文化庁の後援でインドネシアのヌサンタラ・シンフォニー・オーケストラとの共演という形で6月9日と10日に大盛況の中で開催されました。場所はジャカルタの中心部にほど近いサルビニ・ホールでした。演奏は日印尼友好の立場から、東京シティフィルにヌサンタラ・シンフォニーから選抜された15人の奏者を交えた混成オケです。
初日は児童を対象とした軽いプログラムで、満席の観客席には多数の児童も入場していたので騒々しくならないか心配でしたが、矢崎さんとオケの熱演に圧倒されたのか雑音一つ立てず、皆真剣にオケの演奏に聴き入っていました。もっとも、矢崎さんのユーモラスな指揮振りに会場が大爆笑を誘われる場面もあり、熱気に溢れながらもとても楽しい演奏会になりました。
二日目には新任の塩尻駐インドネシア大使が来場されました。冒頭に大使より、未だ赴任三週間という短期間にも拘らず、全てインドネシア語でユーモアたっぷりな御挨拶があり、満員の来場者からやんやの大喝采を受けられて日印尼友好の雰囲気はいやが上にも盛り上がりました。
この日のプログラムは新実徳英の「森は踊る」、クリス・ワトソンの「ジャングラン」、ドヴォルザークの「新世界より」と本格的なプログラムです。「森は踊る」には途中ガムラン音楽の音階が出てきます。「ジャングラン」ではバリダンスの名手率いるガムラン奏者とオケの共演にダンスを交えた珍しい曲です。何れも日印尼友好に相応しい選曲でした。
「新世界より」では、これほど厚みのある本来のオケの音をジャカルタで聴けるチャンスは滅多にないことを再認識させてくれる、素晴らしい演奏でした。特にフィナーレの盛り上がりは格別で、スタンディング・オベーションが鳴り止まず、オケの演奏会では珍しいアンコールのおまけまでついてしまいました。
二日間のジャカルタ公演は大成功裏に終わり、矢崎さんと東京シティフィルの真摯な演奏はインドネシア聴衆の心を鷲掴みにしました。テレビのニュースでも新聞でも大好評でした。日印尼友好のみならず、インドネシアのクラシック音楽界に間違いなくショックを与える素晴らしい演奏会でした。
満員のサルビニ・ホールではいつまでも
スタンディング・オベーションが鳴り止まなかった