文月の空の許にて 2015年7月 刊発売
2015年7月13日 Profile : the Letters
皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
清々しくさわやかな初夏のヨーロッパは、どんより暗く厚い雲に覆われた冬の借りをかえすように、夜10時過ぎまで青空が眺められます。ヨーロッパ文明の郷里であり、アイデンティティーの根源でもあるギリシアにまつわる問題が、この蒼天の如く澄み渡る事を願い、彼の地で暮らす友人たちを想いながら、梅雨空の日本に戻りました。
同封致しました7月26日の新響コンサートのプログラムは、1972年に渡欧して初めて住んだヴィーンと、79年以来36年余り居着いているパリを総括して、私なりに「芸術作品こそ <失われた時> を見出す唯一の手段である」と述べたプルーストの顰(ひそ)みに倣う試みです。
毎年恒例になっております、パリ・トゥールダルジャンで長年カーヴィストを務められている林秀樹氏が厳選・持参されたワインを賞味する会は、8月20日(木)午後6時30分から開きます。場所は東京都心ではありますが、まだ決定に至っておりません。本数に限りがあるので、いつものように先着12名様で、8月13日までに川名幾子 (Tel+Fax 0425-72-2778) へお申込み戴きたく、その折、場所をお知らせ致します。会費は、お一人様17,000円です。尚、締切り日以降のキャンセルはご遠慮下さい。
今後共、どうぞよろしくお願い申し上げます。
東京にて、2015年7月
矢崎 彦太郎