番狂わせ 2022年9月 刊発売
2022年9月20日 Profile : the Letters
中秋の名月が過ぎ、漸く朝晩は秋の気配を感じられるようになりましたが、皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか? TVニュースを見る度に、パリへ移る前に住み、この数年来は御無沙汰しているロンドンの街並みを懐かしく思いながら、「国葬」とは一体何なのかを考えさせられる毎日です。
パリに戻って、「學鐙」秋号原稿の校正を済ませた8月6日夜、草津国際音楽フェスティバルからSOSの連絡が入り、オープニング・コンサートを振る予定だったポーランド人指揮者のヴィット (Antoni; WIT) 氏が負傷して来日できなくなったので助けて欲しいと頼まれました。草津にはほぼ毎年参加して、昨年は私がオープニングを務めた間柄です。ヴィット氏に予定されていたコンサートは3回・7曲で、内4曲は私にとって初めて振る曲でした。早速 PCR、4回目のワクチン接種を受け、帰日便を12日程早めて8月14日には高崎でリハーサルを開始しました。幸い群馬交響楽団も大変協力的で、壮麗で繊細な極彩色のステンド・グラスを彷彿とさせるブルックナーの第2交響曲では、重厚かつ純粋透明な音色が豊かに響き渡りました。
番狂わせの変更がない限り、12月20日頃まで日本に居る予定です。今後共、どうぞよろしくお願い申し上げます。
東京にて、2022年9月
矢崎 彦太郎