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黄色の花咲くパリより 2009年4月 発売

Profile : the Letters

皆様、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか?

フランスの春は、黄色の花と共に訪れます。水仙、クロッカス、ミモザ、タンポポ、レンギョウ、フリージアの黄色が輝き、マロニエの黒い骸骨のようなシルエットに、新芽が小さな緑の点々を付け始めるのが、冬の終わりを告げるサインです。とはいっても、「復活祭までは、コートを手放してはいけない」という、昔からの言い伝え通り、急にどんより曇って、昼でも10℃を越えるか、どうかという寒い日がぶり返したりするので、油断は出来ません。

ちなみに、今年の復活祭は4月12日。学校の復活祭休暇は2週間。ヴァカンス地の混雑を防ぐ為、フランス全土は3つのゾーンに分けられて、1週間毎にずれて始まり、第1ゾーンは4月5日からです。どの地域がどのゾーンに属するかは、ローテーションで毎回移り、今回、パリ地区は、4月12日から始まる第2ゾーンとなっています。

今年は、この時期にパリに居られたので、大好物のタンポポのサラダ(オリーヴ油とバルサミコのドレッシングに、タンポポの葉、細かく刻んでカリカリに炒めたベーコンとニンニク、トロトロの半熟玉子を切って入れる)を存分に楽しめました。そのタンポポも八百屋の店先から消え、白いアスパラガスに代わって、時の流れを感じます。季節感無く、いつでも、何でも食べられるのは、決して便利な事ではなく、不幸だとしか思えません。

5月8日の東京シティ・フィル定期では、北欧の冷たく厳しい自然と、北欧の熱い血のコントラストに、フレッシュなソリストが奏でるモーツァルトの珠玉の名作を加えてお届け致します。連休明けの一晩を、十分に御賞味戴けるメニューだと自負して居りますが、いかがでしょうか?

パリにて、 2009年4月

矢崎 彦太郎

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