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新春を東京で迎えて 2011年1月 発売

Profile : the Letters

皆様方の2011年が、尚一層輝きに満ちた年となられます様、心から念じて居ります。

今年は、5年ぶりに暮れから正月にかけて日本で過ごしました。年末に三重県の津でコンサートがあったからです。リハーサルと本番の間の数日間のフリータイムには。有馬、玉造と並んで清少納言が枕草子に記して愛でたと伝えられる「七栗の湯」(現在は津市街から車で30分強の榊原温泉)に浸かり、「女人高野」の別名で知られる大和・室生寺と京都の東福寺を訪ねました。両寺共紅葉で名高いお寺です。勿論紅葉の盛りはとっくに終わり、人影はまばら。

落ち葉となった濃いえんじ色のタピスリーを、さくさくと踏み締めながら、黒い枝だけの楓林の中から、ワンテンポ遅れて真紅の葉をまだ纏っている一株を見出す悦びは、この時季しか味わえません。全山が燦然と燃え上がるのは見事なのでしょうが、私は紅葉の黄昏期に格別の趣を感じます。

1月のコンサートのお知らせをお送り致します。28日の東京シティ・フィル定期の2曲は、グリーグ、プロコフィエフの作品の中でも滅多に演奏されない名曲です。グリーグは、私がノルウェー放送管と仕事をしていた頃に再発見されて、大きな話題となりました。プロコフィエフの方は、10年近く前、フランス国立フィルのシーズン・オープニング・コンサートで取り上げた曲です。ぜひ、この機会をお見逃し無く、お聴き戴きたく存じます。

2011年も何卒よろしくお願い申し上げます。

東京にて、2011年1月

矢崎 彦太郎

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