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初秋の香りに包まれて 2013年9月 発売

Profile : the Letters

皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか?

輝く日差しの中にも、さわやかな秋の気配が漂い始めました。過日催しましたマーラー第7交響曲の演奏会は、生憎、日本を縦断した台風と鉢合わせしてしまいましたが、強風の下、ses amis 会員の方々も多数応援に駆け付けて下さり、誠に有難く、心から御礼申し上げます。

10月のコンサートは、ショーソン、ドビュッシー、プーランクとフランス作品が続きます。以前にもお知らせ致しましたように、10月25日(金)に演奏する<カルメル派修道女の対話>は、フランス革命時に起きた事件が基になっておりますので、革命期から共和制、ベル・エポックを経て現在に至るフランスの歴史をおさらい仕直しました。

16世紀にカルメル会の改革に従事し、跣足カルメル会を創立した修道女の伝記<イエズスの聖テレジアの自叙伝>(中央出版社 昭和35年刊)は中学時代に読みましたが、半世紀ぶりに黄ばんだページをめくると、ボロボロになったワラ半紙に謄写版でプリントされた黙想会日課予定表が挟まっていました。イエズス会の学校に通って、「真・善・美」の一つである音楽美の伝道に携わりたいというナイーヴな思いを、秘かに抱いた頃のスーヴニールです。

今回の公演は、舞台上の所作を伴わない演奏会形式のために、ベルナノスの台詞とプーランクの音楽が妥協を許さず剥き出しに呈示されますから、より啓示的で印象深い時間を構築することに専念する所存です。稀有な名作ながら、仕掛けの大きい作品で演奏頻度も低く、私が再びプログラムに組むことは難しいと思われますので、この機会にお聴き頂ければ幸甚に存じます。

演奏に2時間半を要する曲で、休憩も2度取ります関係上開演は午後6時です。お間違えなきよう、お越し下さい。

東京にて、2013年9月

矢崎 彦太郎

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