春の香りが漂い始めて 2014年2月 刊発売
2014年2月19日 Profile : the Letters
東京が大雪に見舞われたとのニュースは、パリでも報道されましたが、皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
2月も半ばを過ぎて、日没は6時15分頃と日脚が延びました。相変わらずの暖冬で、毎日10℃を越す日が続いています。スペイン国境に近い南フランスのビアリッツでは20℃まで上がり、TVキャスターの climat estival (クリマ・エスティヴァル 夏の気候)とのオーヴァーなコメントと一緒に、海水浴に興ずる人の姿が映し出されていました。ただ、ブルターニュ地方は雨が多く、フィニステール県の映像はヴェニスの風景と言われても納得してしまいそうな洪水で、クリスマス以来5度目の床上浸水に困惑する人々の表情が対照的です。
お祭り好きの国民性ですから、ソチのオリンピック情報は賑やかです。とはいっても、オリンピック開催の為に行われた高速道路・鉄道建設工事の影響で汚染された河川や農地、分断されてしまった放牧地に対する補償が充分でないと怒る、トルストイの小説に出てきそうな地元の人々の声が聞かれ、否定的な意見も伝えられました。いかにもフランスのメディアらしく、一方だけに偏らない複数の視点に立つ多角的な姿勢が窺われます。
お風邪をお召しになりませぬように。
パリにて、2014年2月
矢崎 彦太郎